梅光学院高等学校同窓会
2020年06月14日

「最初の礼砲」-アメリカ独立をめぐる世界戦争- ちくま学芸文庫に収録

大社淑子さん(高02)が翻訳され、1991年10月に朝日新聞社より出版されました 『最初の礼砲』-アメリカ独立をめぐる世界戦争-(バーバラ・W・タックマン著) が、このたび ちくま学芸文庫twitter)に収録されました。

 

初版より約30年、世の中は大きく変化し、当時には想像すらできなかった様相を呈しています。さらに今、重大な試練を与えられています。このような中にあってなお再版されるということは、この著書が人類にとって普遍的な価値を持つ作品であるからに他なりません。

 

「本書を翻訳する機会を得て、私は様々な歴史上の事実とその教訓を学ぶことができた。(中略)人間の傲慢さや利己的な性格がいかに当事者の目を曇らせてしまうか、人間のうちに潜む物欲と残虐性、リーダーシップのあり方、高潔な心情を持つ人々の勇気と知性や、不可能を可能にする剛胆さ、そして、いつもながら戦争の不毛、悲惨、愚かさを痛いほど思い知らされた。」 「これを機会に、タックマンの作品がこれまで以上に読まれ、日本の読者に大きな感銘を与えることを願ってやまない。」(大社淑子 文庫版訳者あとがき)より

 

【内容】
そして、世界が動きだした
1776年11月16日、大陸会議の旗を掲げた船が西インド諸島のオランダ領セントユーステイシャス島に入港し、礼砲を放った。島の砦が答砲で応える。それはアメリカという「独立国」に対する最初の公的礼砲で、歴史の大きなうねりが始まった瞬間だった。本国イギリス政権担当者の無気力、参戦国オランダとフランスの国民感情・国家的背景などを分析し、アメリカ独立をめぐる18世紀の世界戦争を透徹した歴史観で描き出す。『八月の砲声』の著者最後の作品。(書評より)

 

【目次】

IIIV 「アメリカ合衆国の主権が最初に認知された場所」
IIV 黄金の岩
IV 海乞食―オランダの台頭
II 「途方もない企て」―アメリカ海軍
III 海賊船―ボルティモアの英雄号
II オランダ人とイギリス人―もう一つの戦争
I  ロドニー提督登場
Ⅷ  フランス人の介入
II アメリカ革命の危機
III 「ここで叩いておけばアメリカはこっちのものさ」
II 重大な瞬間
I 最後の機会―ヨークタウンの戦い

 

【出版情報】
書 名 : 『最初の礼砲』-アメリカ独立をめぐる世界戦争-
出版社 : 筑摩書房
刊行日 : 2020年6月10日
ISBNコード : ISBN:978-4-480-09991-4
JAN コード : 9784480099914
価 格 : 1700円+税

 

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【主な作品】

主な著書:
『ドリス・レッシングを読む』、『ミューリエル・スパークを読む』、
『イーディス・ウォートンを読む』(いずれも水声社)
『アイヴィ・コンプトン=バーネットの世界』(ミネルヴァ書房)など

 

主な訳書:
ドリス・レッシング『生存者の回想』、『シカスタ』(ともに水声社)、
トニ・モリスン『青い目がほしい』、『スーラ』、『ジャズ』、
『パラダイス』(いずれも早川書房)など

 

 

 

 

 

まったくの余談ですが、今回のお話は、筑摩書房さんから東京支部のホームページにお問い合せメールをいただき、それを大社さんにお取次ぎしたことから始まりました。本サイトが支部会員の役に立てましたこと、結果的に貴重な著書の出版にちょっぴり関われましたことを大変嬉しく存じます。今後とも皆様のお役に立てれば幸いです。

 

 

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